指導実績

大学院における講義提供・研究指導(~現在)

(I) 講義提供(主要なもののみ記載)

(1) 東北大学大学院国際文化研究科・講義および研究指導担当(平成6年度~21年度)

講義科目:

(a)「異文化間教育交流論」(平成6年度~9年度・前期または後期に開講)

「異文化間対照言語論」(上記科目の科目名を変更;平成10年度~現在・前期または後期に開講)

 

内容:年度ごとにテーマを設定し、対照言語学、言語類型論、認知言語学、文法化等のテーマに関して

基本的文献の論文リストおよび論文を学生に配布し、現在当該分野でどのような研究が行われているか、その分野は歴史的にどのような背景で発展してきたかを、講師自身の講評を交えて講義・解説してきた。

 

(b)「異文化間言語教育特論」(平成6年度~9年度・前期および後期に開講)

「異文化間教育論特論」(上記科目の科目名を変更;平成10年度~現在・前期および後期に開講)

 

内容:講座所属教員(通常4名の専任教員・年度により3名または2名のこともあった)が輪講形式で

各セメスタ3~5回ずつ、各自の現在取り組んでいる最先端の研究テーマ(例:言語類型論の観点からの

補文の意味的・語用論的研究)を解説してきた。

 

(c)「異文化間教育論総合演習」(平成6年度~現在・前期および後期に開講)

 

内容:講座に所属する修士課程・博士課程学生または研究生が、各学期1回ずつ各自の修士・博士論文の構想、執筆中の修士・博士論文の内容、学会で発表する題目、今後大学院において研究しようとするテーマの基本構想などに関して、ハンドアウトを配布し、パワーポイントを用いて発表し、教員・学生からの質疑応答を行う演習形式の授業である。博士課程学生は最低年に1回は英語による発表を義務付けた。

 

(2)名古屋大学大学院国際言語文化研究科:「応用言語学概論a」・「応用言語学概論b」

(平成22年4月~現在)

 

前期は「言語類型論」に関する講義を行い、後期は「認知類型論」に関する講義を行っている。

概要は、以下のリンクを参照。(http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/nichigen/syllabus/10.html)

名古屋大学

同研究科グローバル30プログラム「比較言語文化プログラム」

(平成23年度4月~)

日本語・日本文化に関する英語講義を提供する修士課程プログラムにおいてLinguistic Typology and

the Japanese Languageという英語講義を前期に提供する。

 

(3)日本言語学会夏期言語学講座講師:「認知言語学」(平成22年度・8月)

 

日本言語学会夏期講座講師として1週間にわたって認知言語学と言語類型論のインターフェイス

に関する講義を行った。概要は、以下のリンクを参照。(http://ling.reasoning.org/kakikoza2010/index.cgi?page=Lectures)

 

(II)研究指導:

(1) 東北大学院国際文化研究科における研究指導

異文化間教育論講座において、16年間にわたって修士課程(通常2年間)、博士課程(通常3年間)および研究生(通常半年ないし1年間の受け入れ期間)の研究指導(修士・博士論文および学会発表・学術誌論文の指導・研究教育職への就職指導を含む)を行ってきた。この中で、主指導教員としての研究指導がその責任において最も重いものであった。また、副指導教員として関わった学生のうち何名かには実質的に主指導教員として研究指導を行った。さらに、1名の論文博士の主査を務めた。以下に研究指導を行った修士論文・博士論文・論文博士および審査のみを担当した博士論文の題目・年度を挙げる。

 

(主指導教員として指導した修士論文題目一覧・提出年度)

平成13年度 関西弁の否定辞「へん」・「ん」の交替現象 -機能論的分析- 佐藤 滋 吉本 啓 堀江 薫 上原 聡

平成14年度 談話における韓日語授受表現の対照研究 -共感度の概念を中心として- 堀江 薫 吉本 啓 佐藤 滋

平成14年度 日本語における前方照応表現の選択に関する機能言語学的研究 -「ウチ・ソト」・「共感度」の概念から- 堀江 薫 吉本 啓 佐藤 滋

平成15年度 韓国語の二重使役構文の対照言語学的研究 -東アジア言語を中心に- 佐藤 滋 吉本 啓 堀江 薫

平成16年度 モンゴル語母語話者の日本語格助詞習得過程の研究 -作文データに基づいて- 吉本 啓 堀江 薫 佐藤 滋

平成17年度 日中語名詞修飾節の構造と機能に関する対照言語学的研究 中村 渉 佐藤 滋 堀江 薫

平成17年度 名詞と動詞の連続性に関する認知言語学的研究 -動名詞・名詞化構文の日韓語対照を通じて- 堀江 薫 佐藤 滋 中村 渉

平成17年度 モンゴル語の所有表現の研究 -日本語との対照を通じて- 佐藤 滋 吉本 啓 堀江 薫

平成18年度 日韓語における可能表現の意味的特徴と語用論的機能に関する対照言語学的研究 佐藤 滋 佐藤 滋 堀江 薫 川島 隆太

平成18年度 モンゴル語と日本語の補文の統語的・意味的特徴に関する対照言語学的研究 堀江 薫 川平 芳夫 堀江 薫

平成19年度 言語接触の観点から見た日韓語の借用現象に関する研究 吉本 啓 堀江 薫 吉本 啓 中村 渉

平成19年度 格助詞「で」の学習・指導への「投射モデル(the Projection Model)」の応用 -認知言語学的観点から- 佐藤 滋 佐藤 滋 吉本 啓

平成19年度 中国朝鮮族のコードスイッチングに関する社会言語学的研究 堀江 薫 堀江 薫 中村 渉

平成20年度 日本語母語話者による韓国語のアスペクト形式「-ko iss-/-a iss-」の習得に関する対照言語学的研究 吉本 啓 吉本 啓 堀江 薫 宮本 正夫

平成20年度 第二言語としての日本語の「依頼先行部」におけるポライトネス・ストラテジー-日本語母語話者との対比を通して- 吉本 啓 吉本 啓 宮本 正夫

平成21年度 韓国語の非丁寧体のスピーチレベルシフトに関する社会言語学的研究

-年齢・男女差及び文の種類を中心に-

平成21年度 中国語母語話者の日本語受身文の習得に関する認知言語学的研究

平成21年度 日英語の名詞修飾構造に関する対照言語学的研究

-複文の連続性および修飾機能の原型性-

 

(副指導教員として指導した修士論文題目一覧・提出年度)(*は実質的に主査を担当)

平成6年度 日本語の時制表現の研究 佐藤 滋 堀江 薫 板垣 完一

平成6年度 AET(英語指導助手)と異文化接触 -アーラム大学ジャパンプログラムの意義- 佐藤 滋 堀江 薫

平成7年度 助詞の使用に関する研究 -小学生作文を資料として- 佐藤 滋 堀江 薫

平成7年度 日本語の時制指示表現に関する研究 佐藤 滋 堀江 薫

平成7年度 *現代日本語における「のだ」の語用論的機能の研究 佐藤 滋 堀江 薫

平成7年度 日本語と中国語の母音の音響音声学的対照研究 佐藤 滋 堀江 薫

平成8年度 *形式名詞「もの」の語彙論的研究 佐々木 克夫 堀江 薫

平成8年度 *談話におけるヴォイスの機能論的研究 佐藤 滋 堀江 薫

平成10年度 コミュニケーションにおける沈黙の意味 -会話のメカニズムと沈黙- 佐々木 克夫 堀江 薫

平成10年度 韓国語と日本語の分節音現象と韻律音韻論 -母音の短母音化を中心に- 佐藤 滋 吉本 啓 堀江 薫

平成11年度 中国語の介詞「給」と日本語の授与表現の対照研究 -動詞の分類を通して- 吉本 啓 佐藤 滋 堀江 薫

平成11年度 日本語と韓国語の音響音声学的対照分析 -疑問文イントネーションを中心として- 佐藤 滋 吉本 啓 堀江 薫

平成11年度 *韓国語の接辞(-ney)の会話進行機能に関する研究 -モダリティ論の観点から- 佐藤 滋 堀江 薫 上原 聡

平成11年度 *内部構造から見た韓国語の副詞節の分類 -南(1974)の階層モデルに基づいて- 吉本 啓 堀江 薫

平成12年度 *語彙概念構造の観点から見た韓国語の使役・受動構文 吉本 啓 佐藤 滋 堀江 薫

平成13年度 韓国語話者のための日本語音声学習支援システムの研究 佐藤 滋 吉本 啓 堀江 薫 上原 聡

平成13年度 *スペイン語―日本語の二言語併用児の会話の分析 -コードミキシングを中心として- 吉本 啓 佐藤 滋 堀江 薫 上原 聡

平成13年度 *関西弁の否定辞「へん」・「ん」の交替現象 -機能論的分析- 佐藤 滋 吉本 啓 堀江 薫 上原 聡

平成14年度 センタリングに基づいた日本語の談話構造の研究 堀江 薫 吉本 啓 佐藤 滋

平成14年度 動詞の意味と結果構文に関する対照言語学的研究 -中国語、日本語、韓国語を中心に- 堀江 薫 吉本 啓 佐藤 滋

平成15年度 日本語格助詞「の」の習得過程の研究 -中国語母語話者と英語母語話者との比較を通じて- 佐藤 滋 吉本 啓 堀江 薫

平成15年度 韓国人日本語学習者の終助詞の習得過程に関する研究 -「よ」と「ね」を中心に- 中村 渉 佐藤 滋 堀江 薫

平成15年度 An fMRI Study of Brain Activation during Comprehension of Active and Passive Sentences in Japanese

(日本語の能動文・受動文理解時における脳活動に関する研究 -fMRIを用いて-) 堀江 薫 佐藤 滋 中村 渉

平成15年度 台湾在住中国語母語話者による日本語アスペクトの習得に関する研究 中村 渉 吉本 啓 堀江 薫

平成16年度 モンゴル語話者のための日本語学習支援システムの研究 中村 渉 佐藤 滋 堀江 薫 川島 隆太

平成16年度 中国語を母語とする日本語学習者の文法習得過程の研究 佐藤 滋 堀江 薫 吉本 啓 中村 渉

平成17年度 非漢字圏日本語学習者のための漢字学習支援システムの研究 堀江 薫 佐藤 滋 吉本 啓

平成17年度 日本語と中国語の時間表現の対照研究 吉本 啓 堀江 薫 中村 渉

平成17年度 中国語と日本語の時間副詞についての対照研究 佐藤 滋 吉本 啓 堀江 薫 宮本 正夫

平成18年度 モンゴル人日本語学習者のための用例辞書の研究 -語彙習得支援システム開発における考察- 堀江 薫 吉本 啓 宮本 正夫

平成20年度 アスペクト表現の日中対照研究 -「ている」と「(正)在、着、了」を中心に- 堀江 薫 吉本 啓 上原 聡

 

(主指導教員として指導した博士論文題目一覧・提出年度)

平成15年度 現代韓国語における文末形態の語用論的機能に関する研究 -日本語との対照を通じて-

平成15年度 韓国語のテンス・アスペクトの研究 -日韓対照言語学の観点から-

平成17年度 The Nominal Structures in Adioukrou: A Typological Approach

(Adioukrou語の名詞構造に関する類型論的研究)

平成17年度 多言語話者の日本語学習における言語間の影響 -朝・中バイリンガルを対象に-

平成18年度 言語類型論の観点から見た中国人日本語学習者のモダリティの習得

平成19年度 クメール語の文末構造に関する機能主義的研究  -日本語の構造・機能的に対応する表現との対比を通じてー

平成19年度 日韓語の名詞化の談話・語用論的機能に関する対照言語学的研究 ‐「のだ」と「것이다 (KES-ITA)」を中心に‐

平成22年度 A processing-typological and pedagogical approach to English relative clauses:

A case of Japanese EFL learners

(処理類型論と外国語教育学による英語関係節へのアプローチ

-日本人英語学習者の事例-)

 

(副指導教員として指導した修士論文題目一覧・提出年度)

平成14年度 脳機能画像法(fMRI)を用いた日本語の言語処理に関する研究

平成14年度 A Type Logical Approach to Quantification in Japanese (タイプ論理を用いた日本語の量化の研究)

平成15年度 日本語の語形成と動的辞書の構成に関する研究

平成15年度 言語の脳内処理過程の研究

平成16年度 マルチメディア外国語教育システムの開発と評価に関する研究

平成17年度 所有関係構文の統語論的分析

平成17年度 東アジア言語の結果構文に関する対照言語学的研究 -構文の意味に関するプロトタイプ的研究-

平成18年度 A neurolinguistic study of bilingual lexical processing

(バイリンガルの語彙処理に関する神経言語学的研究)

平成19年度 日本語を第二言語とする学習者における格助詞「を」「に」の習得過程の研究 -述語の他動性の観点から-

平成20年度 統合的文処理モデルに関する研究 -理論的手法と心理的手法の融合-

 

(博士論文口頭試問の審査委員のみ担当・審査年度)

平成11年度 中世語の史的研究 -大蔵虎明本狂言集の漢語を中心に-

平成 15年度 日・韓の自然発話データに基づく対象談話分析―言いよどみ・重なり・あいづちを中心にして

平成18年度 脳科学的アプローチによる第二言語習得研究

 

(論文博士(主査担当)年度・題目)

平成21年度 「Ergativity and Transitivity in Kapampangan: Clitics, Categoriality and Complex Constructions (カパンパンガン語の能格性と他動性 -接語、範疇性、複文-)」(提出者:北野浩章・愛知教育大学準教授)

(2) 名古屋大学大学院国際言語文化研究科日本言語文化専攻における研究指導(平成22年4月~現在)

現在、修士課程学生1名(以下題目)、博士課程学生1名、研究生3名を主に指導している(副指導教員となっており、主たる研究指導をしていないものを除く)。

平成22年度 日本語の依頼に関する間接発話の使用-中国人日本語学習者と韓国人日本語学習者の比較-

(III)博士論文外部審査委員

(1) University of Alberta (Canada)(平成12年度)

下野香織(かばた・かおり)氏のPh.D.論文の外部審査委員を担当

論文題目:Japanese ni: A cognitive analysis of a lexically complex particle. (「日本語の「に」:語彙的に複雑な助詞の認知的分析」)(主査:Sally Rice教授)

(2) 東京大学・人文社会系研究科(平成21年度)

坂本文子氏の博士学位論文の外部審査委員を担当(9月30日・東京大学で実施確定)

博士論文題目:Clause linkage in Modern Khmer(「現代クメール語における節連接」)

(主査:角田太作教授)

(3) University of Leipzig, Germany (平成22年度)

王路明氏(University of Mainz研究員)の博士学位論文審査委員を担当

博士論文題目:The Influence of Animacy and Context on Word Order Processing: Neurophysical Evidence

From Mandarin Chinese」(主査:Balthar Bickel教授, Ina Bornkessel教授)